Q 夫婦共有の住宅を取得し、住宅ローン控除を申告しようと思いますが、「連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」の書き方がよく解りません。
  「各共有者の負担すべき連帯債務による借入金の額」や「各共有者の住宅借入金等の年末残高」は、どうやって計算するのでしょうか?

 共有者の間で借入金の負担割合が特に定められていない場合、「各共有者の自己資金負担額」さえ正確な金額を書き込めば、後は計算明細書の欄に書いてある計算式どおりに計算するだけです。


  共有者の間で借入金の負担割合を決めるということは、普通の夫婦間では、まずないことと思います。

  団信保険でそれぞれの保険金額を割り振っているかもしれませんが、その割合がこの負担割合ということではありません。


  特に覚書でも書いていない限り、登記の持分が借入金の負担割合と考えればいいでしょう。


  ただし、各自の自己資金負担額が異なる場合には、登記の持分と借入金の負担割合が違ってきます。


  ※ ⑧の「自己資金負担額」というのは、いわゆる頭金のことです。


  各自の自己資金額が異なる場合とは、結婚前に貯めた貯金を頭金に充てたとか、親から取得資金の援助を受けた場合などです。


  ここでは、当サイトの夫婦共有、連帯債務の住宅ローン控除申告書の作成要領で使用した例で書き方を説明します。


  (設例)

  家屋 1500万円 土地 1500万円
  登記の持分 家屋・土地とも各1/2

  連帯債務の借入金 1100万円
  自己資金(頭金)   1900万円
  年末借入金残高  1000万円

  ※ 自己資金1900万円のうち、100万円は結婚前に妻が貯金した預金を充てたものとして計算しています。


  この場合は、自己資金のうち妻の預金が100万円、残り1800万円は結婚した後に夫婦が共同で築いた財産ですから、登記の持ち分(各1/2)に応じた額を負担したものと考え、1/2ずつの900万円が負担した額となります。
  登記の持ち分が1/2でない場合は、その持ち分を乗じた額を各自の負担額としてください。

  その結果、設例では、夫の負担額は900万円、妻の負担額は100万円多くて1000万円となります。

  これを明細書の指示に従って記入していくと次のとおりとなります。

連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高計算書
連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高計算書2


  結果、それぞれの負担割合は、夫が54.55% 妻が45.45%で、合計が100%になります。


  合計が100%にならない場合は、どこかが間違っていますから、もう一度チェックしてみましょう。


  ここまでの計算を式で表すとこうなります。

  1 まず、自己資金額(頭金)を計算します。


   ①自己資金額の計(頭金) = 取得対価の額 - 当初借入額 


  2 連帯債務者が共同で負担する自己資金額を計算します。


   ②連帯債務者が共同で負担する自己資金額 = ①自己資金額の計(頭金)- ③連帯債務者が個別に負担した額の計

  
   ※ ③は頭金のうち結婚前に貯めた貯金や親からの援助金などの額です。


  3 ②連帯債務者が共同で負担する自己資金額の各自の負担額を計算します。


   ④連帯債務者が共同で負担する自己資金額の各自の負担額 = ②連帯債務者が共同で負担する自己資金額 × 登記の持分


  4 各共有者の自己資金負担額を計算します。


   各共有者が独自に負担した額 + ④連帯債務者が共同で負担する自己資金額の各自の負担額 
    
  先ほどの記載例で計算してみます。


  1 ①自己資金額の計(頭金) = 3000万円 - 1100万円 = 1900万円


  2 ②連帯債務者が共同で負担する自己資金額 = 1900万円 - 100万円 = 1800万円


  3 ④連帯債務者が共同で負担する自己資金額の各自の負担額(夫・妻) = 1800万円 × 1/2 = 900万円


  4 各共有者の自己資金負担額(夫)=    0 + 900万円 = 900万円
    各共有者の自己資金負担額(妻)= 100万円 + 900万円 = 1000万円


  親御さんからの資金援助額や登記の持分を確認の上、計算してみてください。


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