住宅に太陽光発電システムを設置した場合、売電収入が発生しますが、この所得は申告しなくていいんでしょうか?
 申告が必要かどうか。また、申告する場合の計算方法について説明します。

■サラリーマンは売電収入の確定申告が必要か?

 一般的に源泉徴収されているサラリーマンは確定申告を行いませんが、住宅に太陽光発電を設置した場合、確定申告をする必要があるのでしょうか?
 サラリーマンは、給与以外の所得額が年間20万円以下の場合には、申告しなくてもいいことになっています。
 しかし、それは確定申告を行わない場合であって、住宅ローン控除や医療費控除などを確定申告で行う場合には、所得額がたとえ1円であろうとも申告する義務があります。

■太陽光発電の売電収入を確定申告する計算方法
 
 それでは、その確定申告の計算方法について概要を説明します。

1 所得区分

  売電収入は、確定申告の所得区分上は、他の所得に含まれない「雑所得」となります。
 
2 所得額の計算

  雑所得の所得額は、収入金額-必要経費で求めます。

 (1) 収入金額

   年間の売電収入が収入金額となります。
   1月から12月までに振り込まれた額でも構わないかと思いますが、ここでは1月から12月までに発電した分で考えてあります。
   売電した時点で収入は確定しており、振り込まれるまでは売掛金の状態になっているという訳です。

 (2) 必要経費

   減価償却費と借入金で設置した場合の借入金利子が考えられます。
 
 ・減価償却費
   取得価格を耐用年数で割って1年当たりの減価償却費を計算します。
   (実際の計算では、1を耐用年数で割った償却率が耐用年数ごとに定められています。)
   国や県・市町村から交付を受けた補助金は取得価格から控除します。
   太陽光発電システムの耐用年数は、17年で償却率は0.059です。
   1年当たりの減価償却額は、(取得価格-補助金)×0.059となりますが、その全てが必要経費に見られるかと言えばそうではありません。 
   余剰買取制度の場合、発電した電気には、売電したものと自家消費したものがありますから、自家消費割合分を除いたものが必要経費となります。
   発電量が明確にわからない場合は、おおよその割合で構いません。
   例:全発電量のうち売電が8/10
   ※10kw以上で全量買取制度を選択している場合は、すべて必要経費と見て構いません。

  ・支払利子
   減価償却と同じく、自家消費割合分を除いたものが必要経費となります。

3 損益通算(節税対策)

  2で求めた所得額が赤字の場合、他の所得と合算することができれば節税になるわけですが、この損益通算はできません。
  ただし、同じ雑所得の中でなら通算はできます。
  例:公的年金の所得額、個人年金の取得額などとの通算は可能

4 計算例

  (設定)
  設置:平成26年7月15日
  容量:6kw 補助金:288,000円 
  取得額:300万円
  発電量:6ヶ月で3,000kw(うち売電8割2,400kw、自家消費2割600kw)
  売電収入:100,800円(単価が1kw当たり42円になっていますが、ご自分の適用になる単価で計算してください。)
  
 【収入金額】    
  売電収入:100,800円

 【必要経費】
  ◎減価償却費  
   平成26年中の使用月数:6ヶ月(7月~12月) 
   取得価格=3,000,000円-288,000円=2,712,000円
   償却方法:定額法
   平成26年の償却額
    2,712,000円×8/10×0.059×6/12=64,003円
  ◎借入金利子 なし

 【所得額】
  100,800円-64,003円=36,797円

 【税額】
  税率10%の方で約3,600円、20%の方で約7,200円となります。

  これは6ヶ月分ですから、2年目からはこの約2倍

  ただし、2年目以降は住宅ローン控除などの確定申告をしなければ、売電収入の申告義務もないということになります。

 それでは、作成要領に進みますが、住宅ローン控除の適用要件チェックがまだの方、必要書類の確認が終わっていない方は、次の(準備編)からご覧ください。

住宅ローン控除の確定申告書作成要領(準備編)
【売電収入あり】住宅ローン控除の確定申告書作成要領1
【売電収入あり】住宅ローン控除の確定申告書作成要領2
【売電収入あり】住宅ローン控除の確定申告書作成要領3




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